新しい朝に

昨夜は雨と風の咆吼が怖ろしいほどでしたが、今朝は静かな空です。
勤労感謝の日、休日ですね。
今は毎日が休日の身ですが、子どものころはこの勤労感謝の日のお休みは格別でした。
前日が誕生日だったからです。
誕生日当日が休日より、その翌日が学校お休みというのがね、なんともうれしい。
半ドン(死語?)の土曜日にも似た開放感と、まだ一日お楽しみが続くよろこびよ~ (笑)
勤労感謝の日で、強烈な思い出は1963年のその朝です。
前日13歳の誕生日だった私は級友と映画を観に行きました。
中学1年生。保護者なしで映画に行けるようになって、休みと言えば映画館へ通っていました。
そのころ、私のまちには映画館が20館以上あったのです(今はシネコン1,市民映画館1の2館です)。
巴座、映劇、大門座等々、よく行くのは洋画専門館でした。
休日の朝、まだカーテンを開けていない家もある時間、待ち合わせていたイチムラさんに会うなり「ケネディ、死んだね」そう言ったのを憶えています。
アメリカの大統領が我が誕生日に暗殺されたのでした。
何の映画を観たか憶えていませんが・・・

そんなわけで、休日がくっついてる自分の誕生日が好きでした。
いい夫婦の日、いつからかそんな名がついていましたが。
もう、それをネタに笑いあう相手はいません。
そんな昨日、独りでお祝いに林檎のティラミスを食べました。
(ケーキ屋さんで一個だけ買いました。栗のモンブラン、苺のショートケーキを横目に、大好きな「林檎」に惹かれて)
そしたら、今朝いちばんに届いたプレゼントに大きな林檎が入っていました!

映画『海炭市叙景』で一緒に食事班だった山本さんからでした。
故郷弘前の林檎おいしいですよ、と。
お忙しいのに手作りのクッキーもたくさん!
彼女は佐藤泰志の小説に救われたからと映画製作実行委員会に参加。
このブログでも以前ふれていますが、街頭募金や35日間のロケ弁づくりを一緒にしていました。お菓子づくりの名人でロケ中は毎日お弁当に手製のスィーツを提供してくれました。
クランクアップの日は、ロールケーキでした。熊切監督がとても喜んで、打ち上げのあとでも言っていましたっけ。
その彼女のカードに、『恒河沙』に書いた佐藤泰志「海炭市叙景」を読んでくれたことが書かれていました。
“この数年の重みを感じました。文才のない私にはうまく表現できませんが、番場さんの心の深さが伝わりました”と。
うれしかった!
落ち込んでいましたが、『海炭市叙景』で一緒だった仲間、委員長の菅原さんや事務局長の西堀さん、佐藤泰志と中学・高校同期の陳さんがとてもありがたい感想を届けてくれたことを思い出しました。
『海炭市叙景』映画化に関わってよかったと、しみじみ思います。
山本さんだけでなく、佐藤泰志や『海炭市叙景』がつなげてくれた縁、出会わせてくれた僥倖。
札幌のMさん、大阪のcuminさんはじめ、心やさしい友人たち!



友人や子どもたちから電話やメールやカードやプレゼント、たくさんいただきました。
ありがとうございました。

P.S.
弘前の林檎と映画、つながりで数日前に届いた木村文洋監督の映画上映のお知らせを。

映画『海炭市叙景』は市内はもとより、全国の皆様からご支援をいただき製作することができました。そのご恩を忘れません。以来、微力でも協力できることはしていきたいと思い、いくつかの映画に些少ですがカンパしています。
映画『息衝く』もそうしたご縁です。
弘前出身の木村監督はとても真摯にご連絡くださって、こちらが恐縮するほどです。
12月2日、初上映は故郷・弘前とのこと、ご成功をお祈りしています!

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