3月3日
お雛様ですね。
そして、日本ペンクラブが提案し国際ペンクラブが賛同して定めた「平和の日」です。
この日に、世界中のペンセンターで平和を希うキャンペーンを行おうというものです(2011年から開催日は3月最初の土曜日)。
この催しは毎年、地方都市を巡って開催され、昨年は函館、今年は青森でした。
昨年参加して聴いたリレートークがとても良かったので、3月1日、青森へ行って来ましった。
JR函館駅にもお雛様
久しぶりの青森。
いつも通過するばかりで、駅に降り立ったのは15年ぶりです!
駅前は再開発されて、見違えるよう。
会場のリンクステーションホール青森は2000名収容できる大きなホールですが、すでに超満員。
今年のテーマは【平和の日に想う 言の葉・生命・こども・ふるさと】でした。
4組8名のリレー・トーク、とてもよかったです。
ひと組目の下重暁子さんとアーサー・ビナードさんの言葉に関する対話は、共感することが多かったです。
過度の便利さで人間の力が衰えてくる、そうして言葉も衰えてくるし、人が機械に従う生活に慣れてしまうと、命令され管理されることにも疑問を抱かなくなる、とか。
まやかしの言葉のいろいろ、とか。
時の権力に言葉を乗っ取られることにマスコミも作家も抵抗しなければいけない、とか。
方言の文化、とか。自分で観察して、うさんくさい言葉と滋養のある言葉を見分け、自分で感じられ考えられるようにしなければ、とか。頷いたり、笑ったりしながら、こころに刻みました。
ふた組目の新井満さん松本侑子さんでは、『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』を書かれた松本さんの二人への熱い想いが伝わってきました。続いての見城美枝子さん竹下景子さんの対談では、世界の飢餓地域のことや日本の子どもの虐待死(実母によるのが56.9%だそうです)など、たくさんの問題を教えてもらいました。「母親が生きることが子どもを生かす」という言葉が印象的でした。それと青森は食糧自給率、120%なんですってね。
最後の、ペンクラブ会長の浅田次郎さんと青森出身の長部日出雄さんのトークでも、お米のことや塩びき(鮭)の話題で盛り上がりました。食だけではなく、4組のトークは文化や方言のことなどでも繋がっていて、まさにリレートーク。
東北弁で詩を書き朗読した青森の詩人・高木恭三さんの詩集『まるめろ』は最初の下重・ビナード組でも話題にのぼっていましたが、ここでも彼の詩のすばらしさ、津軽弁の朗読の音楽性なども語られました。今も若い人に読まれる太宰文学の魅力について、長部さんは不眠症の修治は昔話を何度も姉やにせがんだ、そのリフレインが彼の身内にあるからだろう、彼の文学は言葉の音楽だと仰っていました。
3時間半の充実した時間でした。来年は富山市での開催だそうです。
その日は浅虫温泉に泊まって、翌日は青森近代文学館へ。
長くなりそうなので、続きは、そのうちまた。