昨夜ふった雨が上がって、きょうはとても好いお天気。
暖かな春の日射しが心地よいです。
先日、漫画を購入しました。
うらたじゅん作品集『嵐電』です。
大人になって漫画を買ったのは初めてです。
読むのも、実に実に久しぶりです。
幼い頃は、近所に貸本屋さんというのがあって借りて読みましたが、中学・高校時代は全く読みませんでした。
高校卒業後、上京して江古田に住んでいたころは友人の影響で『ガロ』とか、少女漫画を読みました。
大島弓子、萩尾望都が好きでした。
江古田の古本屋さんで『ジャン・ジュネ全集』などと一緒に、月刊『りぼん』などを買ったものです(笑)
結婚してからは、また全く読まなくなりましたから、わたしの漫画体験というのは、きわめて短期間の、きわめて少ない量です。
それが、なぜ購入したかというと。
前回、ブログにも書いた『オール・マイ・ラヴィング』を教えてくれた@cuminさんが、
古くからのお友達のHPを紹介してくれたからです。
http://www.eonet.ne.jp/~urata/index.html
そこで、うらたじゅんさんの「思い出のおっちゃん」を見ました。
いいな、と思いました。
紙面で、紙を捲りながら読みたい。
そして、作品集『嵐電』には、cuminさんが解説を書かれていると言うことでしたので
ぜひ読みたいと思い、北冬書房さんを探したわけです。
リストを見たら、『幻燈』№5は「うらたじゅんの世界」と特集でしたので、そちらも購入。
『嵐電』、とてもよかったです。
懐かしい風景や心象の幼少時代の思い出
情念や、理不尽な運命、生の哀しみ
とても詩的で、胸に染みます。
駄菓子屋に置かれたラムネの味のような短編漫画集。
懐かしく、淡く、透きとおっている。 (川本三郎「懐かしく淡い子供時代にひたる」より)
『幻燈』№5(’04)に寄せられた、うらたじゅんさんの作品集『真夏の夜の二十面相』の書評の書き出しです。
同誌にはcuminさんの文章も載っていて、これがまた素敵な青春グラフィティでした。
『オール・マイ・ラヴィング』は中学生の物語でしたが、彼女にはぜひ、青春篇を書いてほしいものです。
面白いなと思ったのは、『嵐電』の解説をcuminさんは映画と詩と絡めて語っていることでした。
彼女とツイッターで出会ったのも映画『海炭市叙景』でしたし、つい最近知ったのですが、好きな詩人も同じでした。
川本三郎さんは映画批評の大家ですし、佐藤泰志復活に尽力してくださった方です。
うらたさんの作品に「詩情」を感じると前述の書評で書いてもおられます。
映画と詩と漫画。
また、ひとつ出会いから、世界が広がっていきます。