「冬の本」と「海炭市叙景」

『冬の本』が届きました。
夏葉社から昨年末に出た本です。
発行前から評判になっていたことは知っていましたが、いま宿題がたまっていて本やDVDがツンドク状態(泣)
なので購入するのは落ち着いてからにしようと思っていました。
ところが、いつもすてきな本や音楽の情報を教えてくれる大阪のcuminさんが、『海炭市叙景』のことが載ってると教えてくれたので、もうガマンができずamazonに注文したのです。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
かわいらしい小さな本です。
装幀は和田誠さん!
小さいけれど84人もの錚々たる方々が執筆されています。
 
『海炭市叙景』のことを書いてくれたのは吉本由美さん。
いちばん最後に掲載されていました。
吉本さんは、ある冬の午後、彼の部屋で『海炭市叙景』が最初に発表された文芸誌を読まれていました。
 
引き込まれるように、その名のもとに繋がっている三つの短編小説の最初の物語に目を落とした。「まだ若い廃墟」という小タイトルの、大晦日から元日にかけての寸劇だったが、打ちのめされた。衝撃的な出来事が、夜更け人知れず静かに降り積もる雪のようにひんやりと清らかな文体で語られていることに。
              (吉本由美「『海炭市叙景』が旅の原点。」より)
 
そして、吉本さんは年明けに「嫌がる彼を引きずって」函館を訪れ、ロープウェイに乗り“山”に登られたというのです。
感激しました。
発表時に、『海炭市叙景』の世界に触れ、山にまで登ってくれた方がいた!
佐藤泰志が知っていたら、どんなに喜んだことか、胸がいっぱいになります。
吉本由美さんに、そして、そのことを教えてくれた『冬の本』に感謝します!
ありがとうございました!
 
 
 
 

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