詩と秋と

9月も今日で終わり。
毎日があっというまに暮れて、コオロギの夜が長いです。
というのも
今、詩人の宮尾節子さんにお誘いをいただき、15日間限定のツイッター連詩に参加しています。
「詩のレシピ」というタイトルで5人が交代で担当しているのですが、今回の企画の特色は、さらに自由参加の投稿詩から日替わりの担当者がひとつ選んで繋げるところです。
その締め切り時間が24時なので、毎晩遅くまで起きています。自分が担当じゃない時も(笑)。
『現代詩手帖』との合同企画ということもあるのでしょうか、自由参加の方々の熱と真剣度がすごくて、日に80篇とか90篇も集まるのです。
当初想像していた以上に楽しく刺激を受けています。
 
その第1日目の宮尾さんの詩の中に「ヨウスケノヨウハ中庸ノ庸」という詩句があって、思わず詩人の田中庸介さんを想起しました。
田中庸介さんは、わたしが初めてユリイカに投稿(選者が吉増剛造さんだったので投稿)した詩が幸運にも入選したとき、最初に作品が載っていた詩人です。
そのころは大学か大学院の学生さんでしたが、毎号に作品が掲載される注目の新人でした。
今、本の整理・処分をしていてユリイカも数百冊は資源回収に出しましたが、残っている中に、その号がありました。
田中さんで一番印象に残っているのは、その号ではなく、また題名も忘れたのですが
「秋は淋しい」という詩行でした。
こんな、ベタな表現は、普通しません。したら、はずかしい、そんな感じでしょうか。
でも、彼はしました。彼だからできたのだと思います。吉増さんだから採ったんだと思います。
ゲンダイシの書法とか檻に囚われていないから。
二人とも本物の詩人だから。
そして、それはすごく心に残りました。あれから四半世紀以上経っていますが、秋になるたび思い出します。
 
先月は高校生たちとのワークショップで刺激を受けました。
今月はネット上の若い方々の熱にあたたまっています。
わたしの担当は、あと1回。楽しみです。
詩が好きだなぁ、と再認識しています。
 
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