ナナカマド

今日は癌の手術をした友人を夫と見舞ってきました。
街路樹のナナカマドが赤く色づいて、この街はすっかり秋です。
 
夏の終わりに癌が見つかった友人は、先々週に手術を無事終え、もうすぐ退院できると元気そうでした。
何か食べたいものがある?と訊いたら「アイスクリームが食べたい」と。
看護士さんのお許しも出たので、病院内のコンビニで買ってきました。
昔は病院で買い物というと小さな売店でしたものですが、今は院内にローソンやドトールまであるんですものね、驚きです。
 
15の時からの友人です。
20代で失明した彼には病室のテレビは視えません。
テレビには看護士さんたちへの「洗面器を渡せばタオルは自分でかけられます」など、たくさんの注意&連絡事項が書かれた紙が貼られていて、さながら黒板代わりです。
眼は視えなくても、イベントを企画したり仲間の誕生会を設定するなど元気な友人が、最初のお見舞いの時にはすっかり打ちひしがれていて、その姿を思いだすたび泣きましたが、今はアイスクリームを美味しそうに食べている、
ホッとしました。
自分の今後のことも心配だろうに、退院の会席を2ヶ月後のわたしの誕生日の日にすると決めたからと言っていました。
 
ナナカマドの実は小さな球形で葉が落ちたあとも残ります。
かたくてあまり美味しくないのか、秋の実りがたくさんあるうちは鳥たちも食べないようです。
そして雪の季節、いよいよ食糧のなくなった鳥たちが、ナナカマドの実を啄むのです。
白い雪の上に赤い小粒の実が点々と落ちていたりします。
また、ナナカマドの材は堅くて朽ちづらいそうです。
ナナカマドは漢字では七竃ですが、七度かまどに入れても燃えないという俗説もあるそうです。
 
ナナカマドの木のように、実のように、秋を、冬を、生き抜きたいね、生き抜こうね!
 
 
 
 

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